アニメ「ミッドナイト・ゴスペル」レビュー:not おバカアニメ but 精神の旅

2022-06-11 2026-07-10 アート映画フシギ
★9

普段は映画ばかりで、ドラマやアニメはあまり観ないのだが…
この作品はあまりにも凄すぎたのでレビューを残す。

作品情報

タイトル:ミッドナイト・ゴスペル
公開年:2020年
上映時間:約30分×8話
監督:ペンデルトン・ウォード
あらすじ:

「ミッドナイト・ゴスペル」は、壊れた”多元宇宙シミュレーター”で自らの番組を宇宙配信している男クランシーを描いた物語。
リボンという場所にある住み慣れた仮想世界農場を飛び出して、クランシーは他の世界の生き物たちをインタビューするために旅立ちます。
制作は、ペンデルトン・ウォード (「アドベンチャー・タイム」) とダンカン・トラッセル (ポッドキャスト「Duncan Trussell Family Hour (原題)」)。
アニメーションはTitmouseが手がけています。
(Filmarksより)


感想・評価

Netflixオリジナルコンテンツの、約30分×8話からなるアニメ。
何度かチラチラとNetflixのリコメンドに出てきてはいて、過去一瞬だけ再生するも「なんかサウスパーク的なノリの馬鹿アニメかな」と早々に観るのをやめてしまっていた。
とある日、友人の強い推奨をうけて鑑賞。
…とんでもなかった。

まずこのアニメを楽しむためには、事前に以下の前提を知っておかなければならない

上記にピンと来た人であれば、アニメが苦手な人(僕もそうだ)も必ず観るべきだ。
アニメーションはあくまで「オマケ」として、会話にアンテナを向けて欲しい。
1話1話が強烈に含蓄深くパワフルだ。

そしてなんと言っても強烈なのは最終話。
最終話のインタビューイーは、主人公の声優ダンカン・トラッセルの実の母なのだ。

ダンカンの母による瞑想ガイドのシーン。
今まで僕が見聞きしてきたどんな瞑想導入ガイドよりも秀逸で、とても驚いた。
よくいう「心を無にする」とか「呼吸に集中する」とかよりもよっぽどクリティカルで、まるで催眠術のようであった。

そして…
実はダンカンの母は、病により余命がいくばくもない、という酷な現実を抱えている。
(実際に、収録後亡くなられたようだ)
ダンカンは、迫りくる最愛の母の死、その悲しみとどう向き合えばいいのか?と嘆く。
それに対する母の応答は…ぜひ実際に鑑賞して確かめて欲しい。
いまこの記事を書くために、そのシーンを5秒再生しただけで号泣してしまった。

クライマックスのシーン、母と子は星のような姿になる。
もうその頃には感情は極まりに極まって、グチャグチャで涙が止まらない。
そのシーンでめちゃくちゃシビれるのは、滅びゆく母を泣きながら見つめるダンカンもまた、ポロポロと滅びながらすぐ後を追っているのだ。
宇宙から、その全ての時間から見れば、1世代間の時間なんて本当にごく僅かの差であり、一瞬の煌きだ。
その短い命のなかで、何を感じ、どれだけの「愛」を残せるか。
ただのお涙頂戴エンドではない。
明日に向かって、生きる意味を本気で考えさせてくれるのだ。

視聴リンク

ミッドナイト・ゴスペルnetflix.com

採点

ちゅっく

あえて、映画と同じ枠でレビューする。生涯大切にしたい作品。

★9:度々話題にし続けちゃうかも